油中ガス分析
測定分析事業
定期的な油中ガス分析の実施を
油中ガス分析は、変圧器などに使用されている絶縁油中のガス成分から機器の内部異常、劣化度合いを診断する方法で、定期的な油中ガス分析の実施は、機器故障トラブルの未然防止につながります。
変圧器の管理方法
機器トラブル未然防止のため、定期的な油中ガス分析を推奨します(1回/年)。また、導入後20年経過した変圧器においては、現況確認のため油中ガス分析に加えて劣化診断を推奨します(1回/3~5年)。
管理方法の流れ
運転開始
油中ガス分析実施(定期点検)
1回/年
油中ガス分析結果
要注意・異常
油中ガス分析実施(追跡調査)
油中ガスの増加
はい
内部点検・更新
導入後20年経過
劣化診断実施
1回/3~5年
劣化診断結果
要注意
劣化診断実施《更新を計画》
1回/3年
劣化診断結果
異常
設備更新
油中ガス分析
変圧器の内部異常から局所的な加熱が起こると特有のガス(油中ガス)が発生します。このガスを採取した絶縁油から分析することで内部異常の要因や度合いを推定し「異常なし」「要注意」「異常」のレベル判定を行います。
絶縁油の劣化は、電源の喪失などにつながります。正常稼働している場合も機器故障トラブルの未然防止のため、1年に1回を目安に定期的な分析をおすすめします。
測定方法
ガスクロマトグラフ分析装置による油中ガス分析により、変圧器の過熱・放電および絶縁紙の劣化度を判定します。
重要度 …
◎:大 ○:小
ガス発生原因・判定基準 | H2 | CH4 | C2H4 | C2H6 | C2H2 | CO | CO2 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
絶縁油の低温過熱 | ○ | ◎ | ○ | - | - | - | - |
絶縁油の高温過熱 | ○ | ○ | - | ◎ | ◎ | - | - |
絶縁油中の放電 | ◎ | - | ◎ | ○ | ◎ | - | - |
絶縁紙の過熱放電・劣化 | - | - | - | - | - | ◎ | ◎ |
(一般社団法人 電気協同研究会)
発生するガスの特徴
局部過熱
比較的低温での絶縁油の熱分解ではCH4が生成されますが、温度が高くなるとH2が発生しC2H4が多くなります。さらに高温になるとH2の量が増加し微量のC2H2が発生します。
アーク放電
絶縁油中でアーク放電があった場合にはH2とC2H2が多く、次いでC2H4、CH4が発生します。
部分放電
絶縁油中で部分放電があった場合にはH2やC2H2が発生します。
ご依頼から分析までの流れ
- ご依頼
- 検体引取
- 各種分析の実施
- 各種分析結果の総合的な解析
- 報告
劣化診断
コイル絶縁紙のように現地で修理・交換のできない部品の劣化は、変圧器の寿命と相関があります。変圧器の絶縁油中に溶出した絶縁紙の劣化生成物(油中ガスおよびフルフラール)を測定することにより、絶縁紙の強度を推定し、変圧器の劣化度を診断します。
- フルフラール測定用高速液体クロマトグラフ
よくある質問
変圧器の絶縁油が劣化するとどのようなリスクがありますか?
油中ガス分析は、変圧器の内部異常について診断する手法であるため、絶縁油の劣化については、診断できません。絶縁油の劣化を診断するには、水分、全酸価、体積抵抗、絶縁破壊電圧などの測定が必要になります。
絶縁油が劣化した場合、変圧器の内部で絶縁不良が発生し、最悪の場合変圧器が停止する可能性があります。
油中ガス分析の依頼から結果報告までの期間を教えてください。
結果の報告は、試料採取(到着)から3週間程度で結果報告となります。
採油は自分でもできるのでしょうか。
採取について、変圧器の採油弁の形状により使用する器具が異なりますので、当社にお任せください。
分析の結果、異常があった場合には絶縁油を交換する必要があるのでしょうか。
異常の程度により、追跡分析または変圧器の内部点検を行う必要がありますが、基本は絶縁油を交換する必要はございません。
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