アスベスト(石綿)の事前調査・分析
測定分析事業
解体・除去工事における事前調査、建材などの製品および原料中の石綿の定性・定量分析、解体工事中の気中石綿について、目的に応じた適切なサンプリングおよび分析方法で対応いたします。
アスベスト(石綿)とは
アスベスト(石綿)は天然に産する鉱物繊維の一種です。保温断熱や絶縁性に優れているという理由から、かつては多くの建築資材に使用されていましたが、人が吸入することによって肺がんや悪性中皮腫などを引き起こす可能性があるとして、現在は使用を禁止されています。労働安全衛生法-石綿障害予防規則(平成17年施行)により、建築物の解体・破砕などを行う際に、石綿などの使用有無が不明な場合には、調査・分析を行わなければならないと定められています。
アスベスト(石綿)の種類
アスベスト(石綿)は天然の鉱石であり、その種類は6種類あります。分析対象も6種類全てのアスベスト(石綿)となっており、その種類と特徴をそれぞれ以下の表にまとめました。日本で主に使われたアスベスト(石綿)は、クリソタイル、アモサイト、クロシドライトの3種類です。
分類 | 種類名 | 特徴 |
---|---|---|
蛇紋 石族 |
クリソ タイル (白石綿) |
世界で使用されるアスベストの9割以上を占める最も一般的なアスベスト(石綿)です。 【代表的な石綿含有建材料名】 石綿含有スレート波板、石綿含有スレートボード、 石綿含有ロックウール吸音天井板、石綿含有耐火被覆板 |
角閃 石族 |
アモサイト (茶石綿) |
主に建物の断熱保温材に使用されていました。 【代表的な石綿含有建材料名】 石綿含有けい酸カルシウム板第1種、 石綿含有けい酸カルシウム板第2種、石綿含有耐火被覆板 |
クロシド ライト (青石綿) |
主に建物の内装吹き付けやセメント高圧管などに使用されていました。 【代表的な石綿含有建材料名】 石綿含有耐火被覆板 |
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アンソフィ ライト石綿 |
耐薬品性に最も優れており、熊本県の鉱山で採取されていました。 |
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トレモ ライト石綿 |
タルクや蛭石などの不純物として含まれるアスベスト(石綿)です。日本ではあまり流通していません。 |
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アクチノ ライト石綿 |
アスベスト(石綿)の事前調査
2022年4月1日着工の工事より、一定規模以上の解体・改修工事の場合、事前調査の報告が義務化されました。建築物などを解体、改造、または補修する作業を伴う建設工事の元請業者は当該建築物などに石綿含有建材の使用の有無について調査する必要があります。
法改正による変更点
規制対象
すべての建材※1が対象になりました。
一定規模以上※2の解体・改修・リフォームなどの工事が対象となりました。
事前調査を行う者の要件の新設
建築物石綿含有建材調査者または日本アスベスト調査診断協会の登録者が行うことが義務付けられました。
分析調査を行う者の要件の新設
分析調査を実施するためには厚生労働大臣が定める者が行うことが義務付けられました。
都道府県などへの報告
事前調査の結果などを原則として石綿事前調査結果報告システム※2、※3による届出が義務付けられました。
- ※1
- 建物以外の土地に接着させて設置した人工的に作った物で門や塀から建築物内の設備まで拡大
- ※2
- ・当該作業の対象となる床面積の合計が80㎡以上であるもの
・当該作業の請負代金の合計額が100万円以上であるもの
・工作物の場合も同様 - ※3
- 大気汚染防止法および石綿障害予防規定に基づく報告手続き(申請)を同時に行えるオンラインシステム
- 当社での事前調査内容
-
- 建築物石綿含有建材調査者による「石綿含有建材有無の事前調査」の実施
-
- 公益社団法人日本作業環境測定協会が実施する「石綿分析技術の評価事業」により認定されるAランクまたはBランクの認定分析技術者による分析の実施
※令和5年(2023年)10月1日からの有資格者の義務化にも対応
アスベスト(石綿)の事前調査の流れ
①
書面調査
- 設計図書などを確認し、解体等工事に係る建築物などの設置に
着手した日 、使用されている建築材料の種類 を確認します。 - 使用されている建築材料に石綿が使用されているかを石綿含有建材データベースなどを使用して石綿の含有の有無を確認します。
②
現地調査
- 解体等工事に係る建築物において設計図書と異なる点がないか確認します。
- 現地で建築材料に印字されている製品名や製造番号などを
広範囲にわたって確認 をして石綿含有の可能性のある建築材料 であるか特定します。
③
分析調査
- 書面調査および現地での調査で石綿含有の有無が把握ができないものは現地で
建築材料を採取 して分析調査をします。
その他の実施義務および経過措置に関しましては、
当社までお気軽にお尋ねください。
アスベスト(石綿)の分析・測定
建材・吹付け材の現場における試料採取、および石綿含有率の分析、
空気中の浮遊石綿濃度測定に関することはお気軽にご相談ください。
労働安全衛生法ー石綿障害予防規則(平成17年施行)により、建築物などの解体・破砕などの作業を行う際、石綿など使用の有無が不明な場合には、調査することが定められています。
- 当社での分析・測定内容
-
- 建材・吹付け材にアスベスト(石綿)が含有しているか(定性分析)その含有率は何%か(定量分析)
-
- 建築物室内の空気中に浮遊しているアスベスト(石綿)濃度測定
アスベスト(石綿)定性・定量分析
試料の採取
定性分析:どちらかの方法で分析をします。
②-1 実体顕微鏡・偏光顕微鏡による
定性分析(JIS A1481-1)
②-2 位相差・分散顕微鏡・X線回折装置による
定性分析(JIS A1481-2)
アスベスト検出
お客さまのご希望がございましたら、
さらに詳細な分析の方法もございます
X線回折装置による
定量分析(JIS A1481-3)
(アスベスト含有基準)0.1%を超えないこと
報告
(アスベストが検出されましたら適切な方法での工事・処分をお願いします。)
(建材製品中のアスベスト含有率測定方法JIS A 1481)
大気中・環境中の浮遊石綿濃度の測定
大気環境
(大気汚染防止法 ※1)
室内環境
((社)日本石綿協会 ※2)
作業環境
(労働安全衛生法 ※3)
粉じんの採取
石綿繊維数の計数(位相差顕微鏡)
石綿濃度の算出
- (許容濃度)大気環境 ※室内環境:10f/L
- (管理濃度)作業環境:0.15f/㎤(150f/L)
- ※室内環境は、WHO環境保健クライテリアに準拠した目安としての数値
- ※1 石綿に係る特定粉じんの濃度の測定法(平成元年12月27日 環境庁告示第93号)
- ※2 (社)日本石綿協会編 室内環境等における石綿粉じん濃度測定方法
- ※3 作業環境測定 石綿の粉じん濃度
アスベスト(石綿)事前調査・分析の受注実績・実施内容
当社では、民間企業さまや官公庁さまを対象に、アスベスト(石綿)事前調査・分析を行っています。
アスベスト(石綿)の事前調査、アスベスト(石綿)定性・定量分析、大気中・環境中の浮遊石綿濃度の測定など、受注実績はこちらのページをご覧ください。
よくある質問
アスベスト分析にはどのような方法・種類がありますか?
・実体顕微鏡・偏光顕微鏡による定性分析方法
・X線回折分析法、位相差・分散顕微鏡法を併用した定性分析方法
・X線回折分析法による定量分析方法
・偏光顕微鏡法による定量分析方法
アスベストは何に使われていますか?
石綿含有建材は様々な種類があり、石綿含有建材は飛散性の観点からレベル1~3の建材として以下のように分類されています。
レベル1:吹付け材
レベル2:耐火被覆材、断熱材、保温材
レベル3:成形板
アスベストの事前調査報告を怠ると、罰則はありますか?
アスベスト事前調査の報告を怠ると、大気汚染防止法に基づき、30万円以下の罰金を科せられます。また、アスベスト除去などの措置義務に違反すると3か月以下の懲役又は30万円以下の罰金となります。(大気汚染防止法)
厚生労働省が公開している最新のアスベスト分析マニュアルに対応していますか?
当社では、「石綿障害予防規則及び関係法令、通知等」に対応するため、厚生労働大臣が定めるものとして、アスベスト分析マニュアルに則った調査・分析を行っています。
建築物のアスベスト事前調査には資格が必要ですか?
「建築物石綿含有建材調査者講習登録規程」(平成25年7月30日公示)に基づく認定機関が開催する講習を修了した者に付与される「建築物石綿含有建材調査者」が必要です。
建築物のアスベスト分析には資格が必要ですか?
公益社団法人日本作業環境測定協会が実施する「石綿分析技術の評価事業」により認定されるAランクまたはBランクの認定分析技術者が必要です。
アスベスト事前調査・分析を依頼する際の費用はどのくらいですか?
まずはご一報ください。お見積りいたします。
アスベスト事前調査・分析にはどのくらいの期間が必要ですか?
案件ごとにご相談させていただきます。
定性分析には2種類ありますが、両方とも実施する必要がありますか?
1つだけで問題ありません。当社では、実体顕微鏡・偏光顕微鏡による定性分析であるJIS A1481-1での分析をお勧めしております。
定量分析は実施する必要がありますか?
法令的には実施の義務はありません。定性分析だけで問題ありません。
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テクノ中部では、アスベスト(石綿)の事前調査・分析以外にも、廃棄物処理業者の方、土木・建設業者の方などにご利用いただける、様々な事業を展開しております。
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