陸域環境調査

環境関連事業

陸域の動植物、生態系などの状況を明らかにすることで、自然環境と共生する持続可能な社会に貢献します。

動植物・生態系、景観および人と自然との触れ合いの活動の場などの自然環境について、環境影響評価法や条例などの手続きに必要な調査、予測および評価を実施し、環境影響評価図書の作成を行います。また、自然公園法、文化財保護法などに基づく許可・届出に必要な調査、書類の作成について支援いたします。その他、動植物に関する各種研究・調査、自治体のレッドデータブック、環境ガイドブックやパンフレット類の編さんなどについてサポートいたします。

動植物調査

文献調査及び各調査対象に応じた適切かつ効率的な手法を用いた現地調査によって、動植物の生息・生育状況について把握します。また、天然記念物や種の保存法に基づく国内希少野生動植物種、環境省レッドデータブック掲載種などの貴重な動植物の生息・生育状況についても把握します。
当社では、レーダーシステム、レーザー測遠システム、ドローン(小型無人航空機:UAV)、バットディテクターなど最新機器を利用した調査も行っています。

鳥類の飛翔軌跡観測

風力発電に係るバードストライク等が問題視されるなか、鳥類の飛翔状況を正確に把握することが求められています。しかし、これまでの目視により観察・観測する方法では、遠方や夜間の飛翔経路や飛翔高度を正確に把握することは困難でした。
当社ではレーダーシステムやレーザー測遠システムを用いて鳥類の飛翔位置(経路・高度)や飛翔速度を正確に観測する方法を確立しています。

鳥類の飛翔軌跡

猛禽類調査

当社では、既存資料調査や現地調査により、猛禽類の生息状況、行動圏の内部構造、営巣状況等について適切かつ効率的に把握いたします。また、環境アセスメントにおいては、周辺の地形や植生、餌生物等の状況を把握することで、生態系における上位性注目種としての定量的な影響予測評価を行っています。さらに、予測結果を基に、既存事例も参考にしながら、猛禽類の生息、繁殖への影響を最小限にするための適切かつ効果的な保全対策の策定についてもサポートいたします。

生態系調査

文献調査や現地調査により動植物の生息・生育状況を把握したうえで、食物連鎖の概要を把握し、地域の生態系について整理します。また、環境アセスメントにおいては、上位性、典型性、特殊性の観点から注目種を選定し、周辺環境や食物連鎖の関係などから、統計的手法により事業による注目種への影響を定量的に予測・評価いたします。

景観調査

地域の景観の現況について文献、現地および聞き取り調査から整理し、主要な景観資源、眺望点などの抽出を行います。抽出された山頂や展望台、身近な生活の場などの眺望点において、現況の景観について調査を行い、事業が行われた場合のモンタージュ写真の作成などを通じて、景観への影響を把握します。

人と自然との触れ合いの活動の場調査

自然観察の場や野外レクリエーション施設などの人と自然との触れ合いの活動の場について、文献や聞き取りにより主要な地点を抽出し、アクセスや利用状況、アクセスルート上の交通量の調査を実施し、事業が行われた場合の影響を把握します。

陸域環境調査の実績

鳥類の飛翔軌跡観測

四国横断自動車道吉野川渡河部鳥類調査

四国横断自動車道吉野川渡河部橋梁の建設事業にあたり自然環境に配慮した計画を実施するために、鳥類の生息・飛翔状況について、目視観察、レーダーシステムおよびレーザー測遠システムを使用した観測により調査を行い、調査結果を報告書にとりまとめ、今後実施されるモニタリング等への提言を行いました。

動植物調査

ラムサール条約湿地藤前干潟鳥類調査業務

国指定藤前干潟鳥獣保護区およびその周辺における干潟の干出状況に応じた鳥類の生息状況を、シギ・チドリ類、カモ類の多い時期に日中の時間帯に把握することにより、保護区の管理等に資することを目的として実施しました。現地調査では、干潟が干出している範囲を記録するとともに、出現した鳥類の種類、個体数、雌雄、行動などを位置情報とともに記録しました。調査結果はGISソフトを用いて整理し、過去の調査結果と比較することで経年変化についても考察を加えて報告書にとりまとめました。

動植物調査

乗鞍環境保全事業に係る植物調査

岐阜県の自然環境の保全の一環として、中部山岳国立公園の乗鞍スカイラインのマイカー規制の効果を検証するため、乗鞍鶴ヶ池および乗鞍スカイライン周辺において、高山植物群落、主要樹種であるシラビソ類およびハイマツの枯損状況、移入植物の状況について、ドローンを活用した調査を実施し、報告書にとりまとめました。

動植物調査

動植物の実態調査および名古屋市版レッドデータブック作成業務

名古屋市版レッドリスト・レッドデータブックを改訂するために名古屋市が5年ごとに行っている野生動植物の生息・生育実態調査の補足調査を行うとともに、市が開催・運営する検討会の運営補助を実施しました。原稿は検討会委員、調査協力者、当社および市が分担して執筆し、当社による編集・校正作業を経て改訂版レッドデータブック植物編・動物編としてとりまとめました。

動植物調査

岡崎市野鳥保護管理指針

岡崎鳥獣保護区域の見直しなどの検討および鳥獣の保護、管理を図るための野鳥保護管理指針を策定するために、市内全域における野鳥生息実態調査、学識経験者などで構成される検討会の運営補助、野鳥保護管理指針案の作成を実施しました。

生態系調査

ヒガタアシ防除手法検討業務

干潟など沿岸部に生育する侵略的外来生物ヒガタアシについて、2012年より愛知県豊橋市の梅田川周辺で生態の調査および分布調査を実施するとともに、様々な防除手法の実証試験を行い、防除計画の立案を行いました。実際の防除では、人力での除去、重機による掘削、防草シートによる被覆などの防除手法から、ヒガタアシが生育する場所や量に応じて効率的・効果的な方法を選択しました。いずれの方法も国内初の事例であり、防除実施後のモニタリング調査により、その効果について検証を行いました。これらの結果、2016年には、梅田川周辺からヒガタアシを根絶することができました。

よくある質問

敷地の池にアカミミガメが生息しています、どうしたらいいでしょうか。

アカミミガメは環境省「我が国の生態系等に被害を及ぼすおそれのある外来種リスト」の中で「緊急対策外来種」に選定されておりますが、外来生物法に基づく規制の対象にはなっておりません(2021年1月4日現在)。現状維持か、駆除かは敷地の所有者さまご自身でご判断いただくことになります。駆除については市町村にて事業が行われている場合もありますが、ご自身で捕獲されることも可能です。当社にご相談いただければ駆除作業についてご提案させていただきます。
捕獲したアカミミガメは飼育することも可能ですが、動物愛護法によって飼育個体の遺棄(野外への放逐)は犯罪となりますので、ご留意ください。

ウシガエルがうるさいのでどうにかしたいのですが。

ウシガエルは外来生物法により「特定外来生物」に指定されており、許可なく生きた状態で運搬することが禁止されています。市町村にて駆除業務が行われていればそちらに相談いただくのがよいかと思います。当社にご相談いただければ駆除作業についてご提案させていただきます。また、ご自身で駆除いただくことも可能ですが、前述の通り生きた状態での運搬が禁止されていることから、捕獲したその場で絶命させる必要があります。

ブラックバスを釣り上げましたがどうしたらいいでしょうか。

ブラックバスは外来生物法により「特定外来生物」に指定されており、許可なく生きた状態で運搬することが禁止されています。従ってその場で放す「キャッチアンドリリース」は問題ありません。また、釣ったバスをその場で絶命させた上で、持ち帰って食べることも問題ありません。

ドローンの飛行可能時間はどの程度ですか?

飛行させる機種にもよりますが、当社所有の機種ではバッテリー1セットにつき15分~20分程度の飛行ができます。1回の現場で飛行できる時間は、バッテリーを増やすことで伸ばすことができます。

ドローンは夜間も飛行可能なのですか?

原則的には航空法で禁止されていますが、航空局への飛行許可申請を行い夜間飛行を実施します。

バットディテクターではどんなことが分かるのですか?

バットディテクターは、コウモリの音声(※)を可聴音に変換する機械で、音声からコウモリの活動の有無を知ることが出来ます。また、一部の種については音声の周波数からコウモリの種を知ることが出来ます。当社ではフルスペクトラム方式のバットディテクターを使用していますので、広い範囲の周波数帯について同時に観測することができます。
※コウモリは、自分の出した音声の反射音を聞いて物体の位置や大きさ、動きなどを探知することが出来ますが、これらの声はヒトの可聴域よりも高い音(いわゆる超音波)であるため、通常は聞くことが出来ません(可聴域の音声を出す事もあります)。

レーザー測遠システムは鳥類や人体に影響はないのですか?

レーザー測遠システムは出力が弱く、安全な波長であるため、鳥類や人体に影響を与えることはありません。当社のレーザー測遠システムはレーザー製品の安全基準(IEC 60825-1)の最も安全なクラスであるクラス1(アイセーフレーザー)に分類されています。

レーザー測遠システムはどの程度の範囲の測定が可能なのですか?

対象の大きさや観測条件によって異なります。条件が良い場合、カワウなどの大きな鳥であれば3km程度、スズメなどの大きさの鳥であれば500m程度まで観測することができます。群れの場合はさらに遠方まで測定可能です。

レーザー測遠システムは鳥類がどこを飛んでいたかがすぐにわかりますか?

観測地点からの方位、直線距離、水平距離、高低差が瞬時に把握できます。アプリケーションを利用すると、観測地点でも地図上に観測位置をリアルタイムに表示することもできます。

レーダーシステムは日本全国どこでも調査可能ですか?

機材を設置することができれば全国どこでも調査可能です。当社は3GHz帯(S-band)と9GHz帯(X-band)の2種類のレーダーシステムを保有しています。3GHz帯のレーダーシステムは、地域によっては申請が必要になり、調査開始まで時間がかかる場合があります。どのような環境でどのような鳥類の行動を把握するかにより調査に適したレーダーシステムは異なります。まずは当社へご相談ください。目的に合った調査を計画します。

レーダーシステムで鳥の種類を判別することは可能ですか?

レーダーシステムに映る反応の特徴から、鳥類のどの仲間なのかを推定することが可能です。ただし、種までは識別できないことから、当社では目視観察と合わせて調査を行っています。

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