石炭灰販売

火力発電関連事業

石炭灰の成分・特性を活かし、幅広い分野で有効活用

石炭火力発電所で副産物として生成される石炭灰(フライアッシュ・クリンカアッシュ)の成分・特性を活かし、セメント原料、コンクリート混和材、建材、骨材、道路材、地盤改良材などの土木・建築材料として、また、肥料などの身近なものを含め、幅広い用途に販売しています。

フライアッシュ・クリンカアッシュ

石炭火力発電所で発生する石炭灰のうち、電気集じん機により捕集された微粉末の灰をフライアッシュ、ボイラーの底部に落下した石炭灰の塊を回収し、これを粉砕・脱水した灰をクリンカアッシュといいます。当社はその両者を取扱っており、フライアッシュを「中部フライアッシュ」、クリンカアッシュを「ランドプラス」の商品名で販売しています。
フライアッシュを有効利用するために性状・成分により選別し、JISⅡ種規格(JIS A 6201)より更に厳しくした碧南火力発電所独自の品質規定を定め、高品質で安定したフライアッシュをコンクリート混和材などの幅広い用途に向けて販売しています。
クリンカアッシュにおいては粒度調整品を取扱っており、土壌・排水改良材、地盤改良材などの材料として販売しています。
また、フライアッシュ用のサイロリースも取扱っています。

石炭灰の発生工程

碧南火力発電所では、微粉砕した石炭をボイラー内で燃焼させ、そのエネルギーを電気に変えています。
この燃焼により溶融状態になった灰の粒子は、高温の燃焼ガス中に浮遊し、ボイラー出口で温度の低下にともない、球形微粒子となって電気集じん器に捕集されます。これをフライアッシュと呼んでいます。
このフライアッシュは、サイロに乾燥状態で貯蔵され、分級器で粒度調整を行い、製品サイロに貯蔵し、出荷します。
石炭がボイラー内で燃焼し、これによって生じた石炭灰の粒子が相互に凝縮し、多孔質な塊となって落下堆積したものを破砕機で砕き砂状にしたものをクリンカアッシュと呼んでいます。
このクリンカアッシュを脱水槽で脱水したあと、用途に応じてふるい機で粒度調整を行います。

フライアッシュ

フライアッシュは、顕微鏡で拡大すると、球状を呈しており、コンクリートなどに混ぜると流動性の向上、水和発熱の低減、長期強度の増加など種々の特長があることからダム、橋梁、発電所など大型構造物に使用されています。
また、フライアッシュの成分組成面に着目し、粘土代替としてセメント原料に大量に使用されています。さらに近年では石炭灰の特性を活かし建材、骨材、道路材、地盤改良材など土木・建築材料など各分野で利用されています。

コンクリート用フライアッシュの品質規定

JIS A6201コンクリート用フライアッシュ(JIS規格 Ⅱ種)

化学成分 物理的性質
二酸化
けい素
含有量
湿分 強熱
減量
密度 粉末度 フロー
値比
活性度指数
45μm
ふるい
残分
比表
面積
28日 91日
45.0%
以上
1.0%
以下
5.0%
以下
1.95g/
cm3
以上
40%
以下
2500
cm2/g
以上
95%
以上
80%
以上
90%
以上

化学的性質

石炭灰の主成分はシリカ(SiO2)とアルミナ(Al2O3)であり、この2つの無機質で全体の70~80%を占めています。その他の成分は酸化第二鉄(Fe2O3)、酸化カルシウム(CaO)、酸化マグネシウム(MgO)などです。

フライアッシュの化学組成例(wt%)
SiO2 Al2O3 Fe2O3 CaO MgO
40~75 15~35 2~20 1~10 1~3

特長

コンクリート混和材にフライアッシュを使用すると、次のような優位性特長が得られます。

長期強度の増進

ポゾラン反応が長時間継続するため、セメントだけの場合よりも長期強度が増進し、耐久性に優れた構造物ができます。また、養生温度を少し高くした場合の強度は、著しく増進し、より効果を発揮します。これらの反応によりセメント使用量の節減を図ることができます。

乾燥収縮の減少

フライアッシュの代替率が増加するほどセメント量の減少により、硬化後に収縮率が小さくなり、ひび割れ現象が起こりにくく堅牢な構造物となり、また建物の上塗り用としてもその効果を発揮します。

アルカリシリカ反応の抑制

フライアッシュ使用により、モルタルの膨張が1/20となり、アルカリシリカ反応がほぼ完全に抑制されることが共同研究において証明されました。これにより、わが国の有効な混和材としての役割を果たしています。

水和発熱の低減

コンクリートの水和発熱が低減します。温度上昇は代替率が増加するほど、低減するので、マスコンクリート工事、特にダム工事に極めて有効です。

水密性の向上

セメント中の遊離石炭がフライアッシュのシリカやアルミナと結合して、不溶性の固い物質を作り、コンクリートの組織を緻密にして、 その水密性を増し日時の経過とともに著しく効果を発揮するので、地中工事をはじめあらゆる接水工事に有効です。

化学抵抗性の向上

ポゾラン反応の際に生成されるけい酸カルシウム水和物が組織を緻密にするとともに、反応によって遊離した不安定な水酸化カルシウムがフライアッシュの成分と結合するので、硫酸塩、海水、薬液などに対して顕著な効果を発揮します。

ワーカビリティーの向上および
単位水量の減少

フライアッシュは微細な球形をしているため、混和すると流動性が著しく改善されるので、コンクリートの打設が効率的に行われ、填隙性がよくなり、仕上り面が滑らかで美しくなります。また、同一スランプを得るための所要水量は、フライアッシュの代替率に比例して減少します。

フライアッシュ用サイロリース

生コン工場のフライアッシュ導入のアシストとして、当社負担によりサイロ・配管の設備リース(オペレーティングリース)を行い、初期投資軽減を提案しています。

クリンカアッシュ

クリンカアッシュは、小さな孔がたくさんあります。このため排水性、通気性がよく、保水性や保肥性に優れています。砂と同様な粒状であるため、その特性を活かした分野で利用されています。

化学的性質

クリンカアッシュは、赤熱状態でボイラー底部の水槽に落下した塊状石炭灰を、破砕機で破砕、粒度調整したもので、赤熱状態で急冷水洗したため化学的に安定しています。主成分はフライアッシュとほぼ同じで、大半はシリカとアルミナです。

クリンカアッシュの化学組成例(wt%)
SiO2 Al2O3 Fe2O3 CaO MgO
40~75 15~35 2~20 1~10 1~3

特長

孔隙構造となっており、単位体積重量が軽く、大きな表面積をもっています。

  • 保水性・保肥性向上
  • 砂より軽量
  • 排水性向上
  • 通気性向上

安全性

有害成分については、土壌汚染環境基準:環境庁告示第46号をクリアしているため安全です。

物理的性質

粒径分布は砂に近く、内外に無数の孔を持つポーラス構造となっています。そのため1gのクリンカアッシュに約4.5m2もの表面積があります。

石炭灰販売の実績

フライアッシュ

ダム用コンクリート

コンクリートは一度に大量に打設すると、セメントの水和熱などの影響で温度が上昇するので、冷却の過程で収縮するときに、コンクリートにひび割れが発生しやすくなります。このひび割れはダムの安全性、水密性、耐久性に悪影響を及ぼします。フライアッシュをセメントの一部と置き換えることで水和熱の抑制が図れることからこのひび割れを低減させ、水密性、耐久性を向上させることができます。

フライアッシュ

コンクリート二次製品

フライアッシュの主成分はシリカとアルミナであり、セメントに混合すると水密性、耐久性を向上させることができ、様々なコンクリート製品に利用されています。また、表面仕上がりが滑らかになる特長があります。

フライアッシュ

トンネル用吹付けコンクリート

コンクリートのセメント・細骨材の一部をフライアッシュで置換し添加することで、リバウンド・粉じん量の低減が図れます。

クリンカアッシュ

地盤改良材

クリンカアッシュは砂状で、孔隙があるなどの特長から、締固めに伴うCBR値の変動が小さく、安定性、排水性、および保水性に優れています。このため、グランドや軟弱地盤の改良、排水・造成・整地など地盤改良、土壌改良に利用できます。

よくある質問

コンクリート用フライアッシュ(JIS A 6201)のフライアッシュⅡ種相当品以外の購入は可能
でしょうか。

当社が販売している商品はコンクリート用フライアッシュ(JIS A 6201)の品質規定より更に厳しくした独自の品質規定を定めた良質なフライアッシュⅡ種相当品のみとなります。

フライアッシュを使用した製品を検討したいのですがサンプルの提供は可能でしょうか。

フライアッシュは含有する重金属による土壌への影響を未然に防止するため、使用用途を限定しています。主に物理的、化学的固定などの処理がなされ製品化される場合に限定して販売しており、セメント原料、コンクリート混和材、建築・土木材料などが挙げられます。サンプル品は紙袋品(25㎏/袋)でのご提供となります。上記用途に該当しない場合はサンプルの提供を差し控えさせていただいています。また、費用につきましては、原則送料代(着払い)をお願いしています。

フライアッシュ・クリンカアッシュの荷姿・納入形態を教えてください。

フライアッシュは、ばら(ジェットパック車)、クリンカアッシュは、ばら(ダンプ車)で納入します。

クリンカアッシュが使用されている商品はどこで販売されていますか。

ホームセンターで販売されている培養土小袋品に使用されています。原料名は焼却灰と記載されている場合が多いです。

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